April 25, 2017
激烈なイエシロアリ?ヤマトシロアリ?近未来の脅威!アメリカ乾材シロアリとは?
春先から夏場にかけて多数の白蟻の羽蟻が飛来しているのを見る事があります。しかしこの現象に白蟻がやがて大きなコロニーを築いて私達の大切な財産を喰い潰そうとしていると感じる人はまだまだ少ないと思います。蝕害は静かに激烈に昼夜 問わずに進行し、決して姿を現さないので木部が空洞になるまで気が付かない時が多く『木材の癌』と恐れられるのも以上の所以です。ここにシロアリの発見方法、そして生態系やそのサイクルを特徴などを記します。
1.蟻の道『蟻道 ぎどう』をさがしましょう。
シロアリは地中から土でトンネル(これが蟻道)を作り建物に侵入することが多いのです。確かめるところは建物の床下や周辺です。作業服や汚れても構わない服を着て床下にもぐってみましょう。基礎や束石・土台などの表面に土で細い(太いものもある)道を這わしてあれば\(◎o◎)/!要注意です。
2.シロアリは風や光を嫌います。
適度な湿度を保つために木材の切れ目や継ぎ目に排泄物や土砂(蟻土)を運んできてつめたり盛り上げたりします。こんなところはありませんか?
3.建物の変化
シロアリは土中から侵入してくる場合が多いのでまず土台や床束などが食害されます。そして床板を食い荒らしその上にある畳や家具類を食害します。また、静かに進行しますので気が付かないうちに被害が天井裏の小屋裏まで及びます。家の中で畳や床板がなんとなく、くぼんだ感じを受けたり柱が下がったり棟や軒の稜線が波打ったり屋根瓦がずり落ちたり、ふすまや障子の立て付けが悪くなったり…そんなことはありませんか?
4.たくさんの飛んでる羽アリ
5月か6月の蒸し暑い日の次の日あたり…たくさんの羽蟻をみかけたら、それはシロアリの群飛です。シロアリも多分『ご近所さん』だと思います。m(__)m
羽蟻飛来
熟成した白蟻の巣から巣別れ現象として羽蟻を飛来させ一定時間後、羽を落として雄と雌が1対になり光の当たらない土中や床下等に潜伏して繁殖・採餌活動をはじめる。
繁殖
採餌が可能なのは全体の約9割を占める職蟻のみであり、職蟻が木材を体内に取り入れ、体内中の微生物によりブドウ糖に変換され、栄養補給し、他の仲間にも栄養源を供給する。
熟成
コロニーが形成され始め2~3年経過すると巣が熟成して本能的にその子孫を絶やさない為に羽蟻が巣別れして方々に飛び立つ。
以上が簡単な白蟻のコロニーサイクル(生態系)ですが、元来山や海近くの松林付近に生息していた白蟻が、宅地造成・地球温暖化などが原因で昭和初期の頃よりも今のほうがずっと白蟻の脅威にさらされているという現実です。
職蟻兵蟻
日本には、約18種類の白蟻が生息していると言われているが、建物を加害するのは主にヤマトシロアリ・イエシロアリである。
羽蟻
ヤマトシロアリは3月~5月、イエシロアリは6月~7月にかけて飛来し雄、雌が必ず一対で行動し【湿気過多】【シロアリの防除未施工】等生息に適した家屋の庭先等へ降り立った後、繁殖しながら加害をはじめる場合が非常に多い。
構成員
ヤマトシロアリは1万~3万、イエシロアリは100万にまで達する。
加害箇所
ヤマトシロアリは主に床組、イエシロアリは柱を経て壁内部・更に屋根組部材まで達する。
発生状況
ここ数年ベタ基礎工法の建築になっているにもかかわらず床下の結露の発生、白蟻予防工事未施工・地球温暖化等環境の悪化が原因となり増加、特にイエシロアリの発生が急増している。
加害速度
40cm立方体の木材が10日内外で食い尽くされることも有る、これは床面積25坪程度の家屋が蝕害後2~3年で改築しなければならないほどの被害速度である。
公益社団法人 日本しろあり対策協会発行 白蟻詳説より抜粋