April 25, 2017
ほとんど日本全土に分布しています。わが国においてもっとも普通に見られるシロアリで、木造建築物の大害虫です。一般建造物のほかに文化財・樹木・ケーブル・電線類などを加害し文化財建造物に対する被害はイエシロアリよりも多いです。本種は地下シロアリと呼ばれる仲間で寒さには比較的強いのですが、乾燥に弱いので常に湿った木材や土中で 生活をしています。一つのコロニーの個体数もイエシロアリに比べて少なく1~3万程度で特別加工した塊上の巣を作らず、加害箇が巣を兼ねています。条件が悪くなると適当な生活場所と餌を求めて、女王、王を中心に集団で移動する習慣があります。本種の被害は腐朽と同時に起こるものが多くこれは腐朽菌に産生する物質がヤマトシロアリに対して誘引作用を有するためであることが明らかにされております。蝕根は多湿で排出物の汚点や腐朽によって不潔であります。建物の被害箇所は、風呂場、台所、洗面所など水を使うところが多く土台、筋交いの下部など多湿な建物下部材を加害することが多いのですが、雨漏りがあると小屋組み材など建物上部まで被害が及びます。よって気が付かないうちに蝕害されていてある日突然スポッと床が抜けたりするようなことも地方ではあるようです。